零細ブラック企業(2) ・・・『自分の売りをアピール』or『人質』でサバイブ!

c-taka
「僕が昔経営していた会社は、思えばブラック企業だったな。
ある時、プログラマが『これ以上はできないです。僕を殺すつもりですか?』と言ってきたので、『会社のために死んで』と言ったんだよね。こっちも仕事を完成させようって必死だった。で、彼は、それだけ冷たくされて、逆にものすごくがんばって、その仕事の納品までいったんだよ。そのあとも猛然と仕事をして、結果を出したあとで、『社内の3Dの部署に異動させて欲しい』と願い出たから異動させたんだ。そうしたら、すさまじく勉強をして、1本100万もするソフトも自腹で買って力をつけて、最終的にセガに転職したんだよね。
肉を切らせて骨を断つ、という感じだったね。会社も転職に際しては、そのがんばりを知っているのでなんにも言えなかったよ」

repon
「がんばって努力して乗り切っていく、という解決方法はひとつ有効だと思うけれど、他のアプローチもあるのではないですかね?優勝劣敗ばかりではなくて、力のない人間もパフォーマンスを上げるような仕組み作りで乗り切るとか、チームを作ってお互いの弱い部分をカバーし合うとか。

天才しか乗り越えられないというのはどうだろうか?普通の人たちが悩んで乗り越えていくと言うことはできないのでしょうかね。

あと、いくら強くてもどうしようもない場合。たとえば、妊娠したり、育児中だったりした場合は仕事の時間も制限されますよね。その人たちに、仕事か家庭かを迫るのはどうなんでしょう」

c-taka
「うーん。ちょっと違うんだな。

ここで話しているブラック企業というのは、はじめから人を使い捨てにすることを織り込んでいるようなキャノンや日本電産のようなブラック企業ではなくて、何となく仕事しているうちにどんどんブラック企業化してしまったような企業なんだよね。勤めている人たちも、流れ流れてそこに行ってしまって抜けられなくなってしまった人ばかりで、なにか、reponさんが言っているような組織改革とかができるタイプの人たちじゃないと思うんだよ。

ストイックに積み上げていった人はブラック企業には行かないし、逆にストイックに積み上げられないからこそブラック企業に嵌ってしまっているわけで。

モチベーションの問題でも、低いよね。未来がない、ノーフューチャーなんだよね、ブラック企業に勤めている人たちって。僕もノーフューチャーだった。僕はたまたま取り組んでみたら何となく希望が見えて、のめり込んだらうまく転がった希有な例なんだけれど、多くの人は、何となくやってみて何となくダメで、そういう『何となく』がずっと続いて、いつの間にかのっぴきならない状況に陥っているんだと思うよ。

ある日、体が動かないとか徹夜ができなくなって、はっと、先がないことを悟ったときに、ガクン、と心が折れちゃった人たちが、おもなんだと思う。

それまでに、貯金とか、何かを積み重ねておかなければいけないんだけれど、それをしないでポテチを食べてしまうとかしてきて、そこまでいってしまう。

そもそも論で言うと、多くの人が嵌る典型的なブラック企業ってのは、何となく入って、この会社それなりに良いんだけれど所々ブラックだな、と思いながら何となく勤め続けたら、その会社の関係性でしか仕事ができなくなって、どこにも行く場所が無くなった、と言うようなケースだと思う」

repon
「沈みゆく船に乗っているという感じですかね」

c-taka
「いや、違う。そもそも沈まない船なんか無い。企業って10年続かないんだよ平均的に。中小企業で10年続く会社はないよ」

repon
「IT系はそうかもしれませんが……」

Bonezine
「いや、長く続いている会社というのは、途中でいろいろ変わっているんですよ。元の形のままで10年続くというのは無いですね、ほとんど」

c-taka
「会社って、ぼくらとほとんど変わりのない人が、たまたま社長をやっているだけなんで、そんなにうまくいくはずがないんですよ。そんな人がうまくできるはず無いんですよ、根本的に。『確固とした会社』というのは共同幻想ですよ。結果としてうまく回ったと言うだけで。共同幻想は共同幻想だと認識しないと。

で、どんな形でも客を味方につけておかないと、俺はダメだと思う。エンドユーザーに向かい合っている仕事ならね。

たとえば接客業だったら、その最高峰はホテルなんだけれど、ドアボーイの人は、お客さんを全部覚えているわけ。企業の偉い人とか。そうすると、最終的に口利きをするコンサルタントになる人もいる。顧客の子どもの名前から誕生日から覚えている人がたくさんいるんだよ」

repon
「うーん……」

c-taka
「大手の広告代理店にいるすごい人は、全部の会社の力関係を知っている。その人が一番威力を発揮するのはお葬式。社葬の時に、来訪者をすべて誘導できる。まぁ、その人は葬式以外あまり働かないんだけれど(笑)、クビにできないだよね、その人の替えが効かないから」

repon
「そういう人って職場にいましたけど、ぶっちゃけ迷惑でしたよ。そのときだけ仕事して、普段仕事しなくて、でかい顔をしているのって、ずるいと思った。組織だから、客の目に付かない部分でも必要な仕事ってたくさんあって、雑事とかそういうものをこなす人だっているのに、平等に見られないんですから。

みんながみんな、好き勝手に自分のやりたい仕事だけやっていたら、組織ってのは回らないと思うんです。僕は嫌いです」

c-taka
「そういう人もいる、と言う話です。嫌い、というのはわかりますよ。みんなが勝手なことをすれば船は沈む、それは正しいです。でも、ここでポイントなのは、どこかで『人質』を取らないと。客とか。そうでないと生き延びれないですよ。

つまり、『替えが効かない』という状態を作らないと生き延びられないという、世知辛い状況があるんです。

もう一つのやり方として、組織作りに長けているなら、管理職になると言うのも手です。そういう力をつけるのも一つの方法。

ともかく、何らかの『売り』がないと」

Bonezine
「ブラック企業の場合、中で評価する仕組みがない場合がほとんどなので、お客さんや外向けに評価を高めないといけない、ということですよね」

c-taka
「整理すると、そもそもブラック企業の中で評価されても意味がない。評価する軸を持っていないのが、僕らの考えるブラック企業なので。ということは、お客なりなんなりを人質に取らなければならない。で、最終的に上位の階層に行くしかないんだよね。世知辛いけれど、それ以外に身を守る方法がないんだ。『白馬の王子様』は来ないからさ」

repon
「二通りの解決策、ですかね。エンドユーザーに向き合える人は、エンドユーザーの信頼を勝ちとる。ファンを作る。でも、組織の内部で、組織が正常に回転していることを前提にする仕事-総務・経理・人事などの管理系-は、組織がちゃんと回るように、マネジメント力を高めていく、ということでしょうか」

c-taka
「管理系の人たちは、公平さなどが大切になってくる。そういう場合だと、自分の公平さとかを、次の職場にアピールしていく必要があるだろうね。仕事に向かう姿勢などを文章化できるスキルなどがないと、きついだろうね。それをきちんとアピールできないと、次の職場は採用しようがないよね。目に見える、たとえばIRの経験などがあれば、それがキャリアになるだろうけれど。職種に応じて、生き残り方は異なるだろうね」

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「オールブラックニッポン」その1 その3 その4

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